「〜だったらよかったのに」のような仮定法の文型は、英語でも「難しい」というイメージのある文法事項です。
しかし、「晴れだったらよかったね」などと日常的に使う表現ですので、そんなに難しいものであるはずがありません。

難しいと感じるのは、文法事項の暗記から入るからだよ
仮定法でも、一度根本から理解すれば、簡単に使いこなすことができます。
今回は、仮定法「〜だったらよかったのに」という表現について解説します!
この記事を読んだ頃には、「〜だったらよかったのに」の表現は迷うことなく使えるようになっていることでしょう!
ぜひご覧ください!
「晴れだったらよかったのに」はどういう状況?
そもそも「〜だったらよかったのに」とは、どのようなときに使うのか整理しておきましょう。
「どのようなシチュエーションで言うのか」「どのような気持ちで言うのか」と言う部分がしっかり理解できていないと、他の文脈で応用ができないからです。

日本語だと意識せずに使えるけど、英語だと一度、抽象的な次元まで戻って考えないと表現の根本を理解できないよ
「晴れだったらよかったのに」を例に考えます。
この発言の要素を考えると、以下2パターンが考えられます。
・今、現在の状況(天気)について言いたい
・今現在の状況が、理想(晴れ)と違っている
・これからも晴れそうにない(諦め)
例)うわあ、足濡れちゃったよ。今日晴れだったらよかったのに。
・過去の状況(天気)について言いたい
・過去の状況が、理想(晴れ)と違っていた
例)山登りのとき、晴れだったらよかったのにね。
つまり、「〜だったらよかったのに」は、「現在のこと」について言いたいときと、「過去のこと」について言いたいときと2パターンあるということになります。
この2パターンそれぞれによって、英語表現が異なりますので、別に解説をしていきます!
現在について「〜だったらよかったのに」と言う場合
今の状況について、今「〜だったらよかったのに」と言う場合は、以下のような表現を用います。
I wish it was sunny today.
今日晴れだったらよかったのに。
分解すると、以下のようになります。
I wish +主語+過去形.
例文を見てみましょう。
【例①】
I can’t afford this. I wish I were rich.
こんなん買えないよ。お金持ちだったらよかったのに。
【例②】
I wish I could swim.
泳げたらよかったのに。
どちらも、I wish+過去形で表現できることがわかったかと思います。
なぜ現在のことも「過去形」にするの?
I wishの後に主語と時制を一つ過去にした動詞を持ってくるということは分かりましたが、なぜ「現在」のことを話しているのに「過去形」を用いるのか疑問が湧いてきますよね。
「過去形」は、現在との距離を表す
ということがあります。
I wishは「〜ならよかったのに」という「手遅れ」のことを表します。
つまり、もう起こってしまったことについて、「現実離れ」したことを言っている感覚で用いるのです。
なので、現在のことですが、過去形を用います。
例をみてみましょう。
今プロポーズしてくれたら、YESって言うわ。
① If you propose to me right now, I will say yes.
② If you proposed to me right now, I would say yes.
どちらも同じシチュエーションで同じ意味を表しますが、①は現在形、②は過去形を用いています。
この2つの文の違いは、①は「実際にあり得そうなこと」として話しているのに対し、②は「現実にありそうにない」という話者の気持ちを表しています。
①は「もし今プロポーズしたら、OKするよ」というリアルな感情で言っています。
②は「(実際は絶対ないけど)今プロポーズしたとしたら、OKすると思うよ」という、現実離れしたした話として言っている感覚です。
このように、過去形=現実離れした状況について話すと考えると、「I wish+主語+過去形」の気持ちも理解できるのではないでしょうか。
I wish it rained.
(現実はかけ離れているけど)雨が降ったらよかったのに。
I wish (=私は願う)の後に、現実と反対のことが来ますよね。
なので、現在形ではなく過去形で「今とはかけ離れている」ということを表すのです。
過去について「(あのとき)〜だったらよかったのに」と言う場合
過去のある一点の状況について、「(あのとき)〜だったらよかったのに」と言う場合は、以下のような表現を用います。
I wish I had been with him.
分解すると、以下のようになります。
I wish +主語+過去完了形
例文を見てみましょう。
【例文①】
I wish I had helped her then.
そのとき彼女を助けてあげていればよかったのに。
【例文②】
I wish I had knocked on the door that day.
あの日、ドアをノックしていればよかったのに。
今のことを言う「(今)〜だったらよかったのに」よりも、時制が一つ過去になりました。
これは、話し手の意識がより「現在よりも遠く」にあるからです。
この形を覚えておけば、「(あのとき)〜していればよかったのに」と簡単に言えるでしょう。
「〜すべきだった」と後悔を表すならこの英語表現!
「(あのとき)〜だったらよかったのに」に、非常に近い気持ちを表すことができる他の表現があります。
それが、「should have +過去分詞形」の形です。
以下の例を見てみましょう。
I should have helped her.
彼女を助けてあげるべきだった。
現在の視点から、過去に「こうすればよかったなあ」「こうしとくべきだったなあ」と後悔する気持ちを表すことができます。
I should have studied more.
もっと勉強しとくべきだったなあ。
I wish I had studied more.
もっと勉強していればなあ。
非常に似た気持ちを表すことができることがわかったかと思います。
I wish I knew. と I wish I had known. の違いは?
紛らわしいので、ここでしっかりと2つの表現の違いを比較してみます。
「知っていたらよかったのに」
① I wish I knew.
② I wish I had known.
①の「I wish I knew.」は、「残念ながら知りません」の意味になります。
「(今)知っていたらよかったのに」=「今知らない」になるからです。
②の「I wish I had known.」は、「あのときの自分に教えてやりたい!」の意味になります。
「(あのとき)知っていたらよかったのに」=「今は知っている」になるからです。
このように「I wish +過去形」と「I wish +過去完了形」の違いは、願っている状況が「現在と反対である」ことを示すか、示さないかになります。
I wish I knew.
知っていればよかった。(知らない)
I wish I could help you.
助けられればよかった。(助けられない)
I wish I could cook.
料理できればよかった。(料理できない)
このカッコ内の気持ちを暗に含むというところが、大きな違いになります。
仮定法は「現実」との比較で考えよう!
「〜だったらよかったのに」という表現について解説してきました。
日本語では日常で何気なく使う表現ですが、英語では2つの異なる意味と文型を持つことがわかったと思います。

今のことを言いたいのか、過去のことの後悔を言いたいのかによって使い分ける必要があるね
日本語訳だけで暗記していると、2つの使い分けがいつまで経ってもできません。
2つの違いを理解して、実際に使ってみることで、「〜だったらよかったのに」の文をマスターしてしまいましょう!



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